「2013年第3四半期 日本国内スマートフォン出荷台数メーカー別シェア」を徹底解析

IDC Japanより携帯電話・スマートフォンの2013年第3四半期(2013年7~9月)の日本国内での出荷台数実績とメーカー別シェアが発表された。IDC JapanはIT専門の調査会社で、四半期ごとに携帯電話/スマートフォンのシェアデータを公表してくれている。今日は、スマートフォンのシェアのみに焦点を絞り、一年前の2012年第3四半期と比較して出荷台数がどのように推移したのか紹介する。

昨年とのシェアの比較

まずは、2012年の第3四半期(以下2012Q3)と2013年の第3四半期(以下2013Q3)のメーカー別の出荷台数シェアを比較する。以下の図はIDC Japanのサイトにて公開されている図を、比較しやすいよう並べたものである。

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このグラフからわかることとしては

  • Appleが異様にシェアを伸ばしている。
  • SONYが4位→2位と躍進している。
  • AppleとSONY以外はシェア減。
  • 特に富士通の凋落っぷりがヤバい。
  • 合計出荷台数が100万台以上減っている。

と言ったところ。Appleがシェアを伸ばしている理由としては、やはりdocomoからiPhone 5siPhone 5cが発売されたことが大きいだろう。SONYのシェア増の理由としては、昨年の同時期に日本国内で発売した製品がXperia GXとXperia SXの2機種しか無かったこと、その2機種も慢性的な在庫不足だったこと、今年はdocomoのツートップ戦略にXperia Aが選ばれたことなどが理由として考えられる。富士通のシェア減に関しては、昨年7月にdocomoから発売されたARROWS X F-10Dが、売上好調の割に不具合多発でブランド価値に大きく傷がついたこと、昨年はらくらくスマートフォンが好調だったことが挙げられる。合計出荷台数の大幅減に関しては、IDC Japanの元記事にこのようなことが書いてある。

このマイナス成長の主要因としては、NTTドコモ向けのスマートフォンの販売台数が大幅に減少したことと、1年前の2012年第3四半期は、主要半導体の供給不足の問題が解消されたことで出荷台数が高水準となっており、その反動が挙げられます。

ここで言っている昨年供給不足だった主要半導体とは、QualcommSnapdragon S4 MSM8960であると考えられる。MSM8960は昨年同時期の各社フラッグシップモデルに搭載されていたCPUだ。そのような経緯はあるにせよ、どうやら日本国内でのAndroidの成長に陰りが見えているのも間違いないようだ。

昨年との出荷台数の比較

次に、各社スマートフォンの出荷台数について見てみる。以下のグラフは、先ほどの円グラフに書かれているデータから算出した、各メーカーの出荷台数の比較である。青の棒グラフが昨年7月~9月の出荷台数であり、赤の棒グラフが今年7月~9月の出荷台数を表している。

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このグラフからわかることとしては

  • 出荷台数で見てもAppleとSONYは成長傾向
  • それ以外のメーカーは軒並み昨年比半分以下の出荷台数

と言ったところだろうか。

まとめ

日本国内のスマートフォン市場は既に飽和し、縮小傾向にある。その厳しい条件にありながら、AppleとSONYのみは成長を続けている。製品のデザイン性を高め、「iPhone」と「Xperia」というブランドを築き上げることに注力した両社の戦略が、日本の消費者とマッチした結果と言えるだろう。その他のメーカーにとっては非常に厳しい情勢。SONYに関しても、今年のQ4以降はdocomoがiPhoneを発売したことの影響は避けられないと考えられる。AppleがQ4でどこまでシェアを伸ばしてくるのか注目したい。

 

参考文献

2013年第3四半期 国内携帯電話/スマートフォン市場規模を発表

2012年第3四半期 国内携帯電話/スマートフォン市場規模を発表

 

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