【レビュー】SONYのミュージックビデオレコーダー「HDR-MV1」がアツい

今日はSONYから2013/11/15(金)に発売された新機軸のビデオカメラ「HDR-MV1」を紹介。ミュージックビデオレコーダーと銘打った本機は、音楽演奏の録画を主用途として開発されている。高性能のステレオマイクに、バンド録画に適した広角レンズ。小型で軽量なボディは持ち運びに便利なサイズ。今回は、ギタリスト的視点から見たHDR-MV1の使い心地をレビューしたい。

サイズ・重さ

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サイズは手にすっぽり収まるぐらいの大きさ。重さも全く気にならないレベル。

ギタリストはスタジオやライブハウスに行くとき、荷物がとにかくかさばりがち。背中にギターケースを背負って、手にはエフェクターボード。僕の場合、エレキとアコギ一本ずつ持ってスタジオに向かうなんて事態もよく起こる。「それ以外の荷物はとにかく少なくしたい!」と思っているのは僕だけではないはず。

HDR-MV1のサイズは、ギターケースのポケットにも余裕で入る大きさ。レンズキャップが付属しているので、そのままギターケースに放り込んでも大丈夫。本体の傷が気になる人は、オプション品の本体ケースを買えば良いだろう。

セットアップ

バンド録音は、マイクを置く位置やマイクの方向によって、音質が全く変わってくる。これは、ICレコーダーなどでバンドを録音したことがある人ならたぶん経験したことがあると思う。

HDR-MV1の場合、カメラの向きも考えなければならないため、設置場所の重要性はより高まる。そこでオススメしたいのが、VCT-CM1というクリップマウント。VCT-CM1は直径6cm以内のパイプや平滑部にクリップして撮影することができる。カメラを取り付ける雲台は360度回転可能で、自由度は極めて高い。VCT-CM1にHDR-MV1を装着した写真を以下に載せる。スタジオ内であれば、マイクスタンドや譜面台などにクリップして撮影することが可能。家で使う分にも机などに取り付けられて非常に便利。VCT-CM1はオプション品なので別購入になってしまうが、とにかく便利なのでぜひ一緒に購入することをオススメしたい。

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音質・画質

もちろん一番重要なのは音質と画質。ここが良くなきゃなにも始まらない。この辺は実際に撮影動画を見てもらうのが早いと思うので、僕が実際にスタジオで録画したものを以下に載せる。もし可能であれば、動画タイトルをクリックしてYoutubeのサイトに飛び、画質設定を1080pにして見て欲しい。


SONY HDR-MV1 Music Video Recorder Test ...

 

どうだろう。音質・画質共にかなり良いのではないか。かなりギターアンプの音量を上げて録ったのだが、録音による音の歪みは生じていない。ギターアンプから出た音を素直に拾ってくれている。ギター的においしい中高音域もしっかりと録れている。

画質も非常に綺麗。Youtubeにアップするときの再エンコードで生じた若干の劣化はあるが、再エンコード前の映像では指や手の動きなどの速い動きもしっかりと捉えられている。この本体のサイズでこの画質なら十分だろう。

ちなみに、HDR-MV1には動画モードの他に音声モードがあり、音声だけを録音することもできる。音楽用ICレコーダーの代わりとして使用することが可能だ。

スマホ・タブレット連携機能

HDR-MV1にはスマホ・タブレットとの連携機能がある。機能は大きく分けて二つある。

  1. 録画した動画ファイルをWifiでスマホ・タブレットに転送する
  2. 撮影中の動画をスマホ・タブレットでモニタリングする

どちらの機能も、スマホやタブレットにPlayMemories Onlineというアプリを入れることで使用できるようになる。

1. 録画した動画ファイルをWi-Fiでスマホ・タブレットに転送する

この機能により、録画したファイルを無線でスマホに転送することができる。僕の場合、これまではスタジオで録音したファイルを後でバンドメンバーへメールで送ったりしていた。これが地味になかなか面倒な作業で、ついつい後回しにしてバンドメンバーに迷惑をかけることもしばしば。このHDR-MV1のWi-Fi転送機能があれば、バンド練習が終わった後、スタジオのロビーでバンドメンバーが持っているスマホにその場で撮影ファイルを送ったりできる。

先ほどの3分程度の動画をXperia Zに転送してみたところ、要する時間は1~2分ぐらい。スマホの機種による差はあるかも知れないので参考程度にしてほしい。また、HDR-MV1は記録メディアとしてmicroSDを採用している。つまり、Android機種であればそのまま挿し代えて、動画ファイルをコピーすることも可能であるということ。無線で転送するよりもこっちの方が早かったりするので、参考にして欲しい。

2. 撮影中の動画をスマホ・タブレットでモニタリングする

2のモニタリング機能は、カメラが写している映像をリアルタイムでスマホやタブレットから見ることができる。HDR-MV1のモニターはかなり小さく、お世辞にも見やすいとは言えない。用途上、定点に固定して使用するケースが多いカメラなので、遠隔からの録画開始・停止操作なども欲しい機能である。バンド練習を録画するとき、いちいちカメラのところまで行って録画開始ボタン押してーとかやるの面倒くさいし。このモニタリング機能を使えば、スマホを使って遠隔からの録画開始もできる。下の写真はXperia Tablet Zからモニタリングしている様子。右の録画ボタンを押せば録画が開始される。

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このモニタリング機能を使ってみて真っ先に抱いた感想は、映像の遅延をほとんど感じないという驚き。以前、Go Proとそのスマホアプリを触る機会があったのだが、カメラで撮った映像が数秒遅れでスマホに表示されるという大きな遅延があったのを記憶している。それと比較すると、HDR-MV1は遅延が圧倒的に少ない。カメラを動かせば、タブレット上の映像も同時に動く。ほぼリアルタイムの映像がタブレット上で表示されるのだ。これにはびっくりさせられた。

改善して欲しい点

以上、散々褒めてきたが、改善して欲しい点もいくつかある。

一つがNFC機能の使えなさ。NFC対応のタブレットやスマホとタッチすることにより、上記のモニタリング機能が即座に起動されるという機能。使えれば非常に便利なのだが、どうも僕の環境だと不安定。ペアリング相手は同じソニー製のXperia Tablet Zなのだが、NFCをかざして接続開始した後、すぐ切断されてしまう症状が多発。Xperia Zでも同様の問題が起こったので、端末固有の問題ではなさそう。問題が修正されるのを待つ。

もう一つ改善して欲しい点は、モニタリングして録った映像をそのままスマホ・タブレットに転送できない点。現状では録画モードと再生モードが完全に分離されており、スマホでモニタリングして録画した映像をスマホに転送するには、いったんスマホと切断した後に再度カメラ側で転送を選択しなければならない。スマホやタブレットの大きな画面でモニタリングしながら撮った映像を、同じ画面でそのまますぐ見られないのは非常にストレスが溜まる。ぜひ改善して欲しい点。

最後に

とりあえず、購入を検討中のミュージシャンは迷わず”買い”。音質・画質は申し分なく、今まで使用していたICレコーダー代わりに使うこともできる。自分の演奏を客観的に捉えることは、ミュージシャンの上達には必要不可欠なこと。録音だけでなく、自分の演奏する姿を客観的に見ることで更なる上達に繋がるだろう。また、HDR-MV1は自分の演奏動画をソーシャルな場に提供するときにも非常に有用なガジェット。今までは、音声と動画は別撮りで、撮った後に編集してアップロードという面倒な作業をしていた人は多いと思う。このHDR-MV1が持つ十分な音質・画質があれば、撮った映像を編集なしでそのままYoutubeFacebookにアップロードできる。つまり、自分の演奏を世に公開することへのハードルが非常に下がるということ。これは非常に大きなメリットだと個人的には思っている。ぜひHDR-MV1で新しい音楽ライフを楽しんで欲しい。

 

SONY ミュージックビデオレコーダー MV1 HDR-MV1

SONY ミュージックビデオレコーダー MV1 HDR-MV1